ゾウが踏んだら壊れた

私の私による私のための

僕が見たウェブ10年ぐらい史

一人称を「僕」にしてタイトルをつけたのは、なんとなく似たような世代が集まるような気がしたからです。わたくし1978年生まれ。±10くらいを想定しています。特に根拠はありません。

さて以前、http://d.hatena.ne.jp/gelico/20130304にて1998年から2007年までの個人サイトランキングを見てノスタルジーに浸る遊びをいたしました。
今回は自分が見て来たインターネッツ界隈の遷移を10年分くらい振り返って(重要項目については10年以上遡るけど)ノスタルジーに浸る遊びをしたい。

転機かなと思った事項、例えばネットで流行ったサイト傾向・新ツールの出現時期などはインターネッツでざっと調べただけなので誤りがあるかもしれません。ご指摘ください。

また、私自身が「よくある趣味のイラスト系個人サイト」の運営経験しかないので、大変偏った目線からの記事になるが、同じようなことをしているインターネッツ10年戦士の方々にしばしおつきあいいただけると嬉しい。

1996年

Web1.0の時代に、リッチなツールが登場していた。
Web1.0を知らぬ方へ。つまりこういうことだ。
ねとらぼ:どんなサイトもWeb1.0風にしちゃう「The Geocities-izer」 - ITmedia NEWS

Flashとは別に「Shockwaveプラグイン」というものも存在しているが、こちらは初リリース時期がわかりませんでした。音楽・動画・ゲームなどの込み入った処理が必要なジャンルで使用された。

1997年

無料ホームページサービスの先駆け。
 
1998年

  • PostPet 2001登場。流行る。

ピンクのクマがメールを届けてくれるメーラーが流行る。

雲の上の存在だったMacが手の届く価格で手に入るようになりました。周辺機器もキャンディカラー一色になったな。

1999年

この頃から「無料ホームページスペース」が浸透してきた気がする。hoops使ってました。無駄にGIFアニメが点滅したりアクセスした途端にMIDIが流れるホームページがたくさんありましたね。

2000年
正確な時期はわからぬが、「テキストサイト」「日記サイト」というジャンルの個人サイトが盛り上がってくる。こちらの記事は興味深い。【参考:【今更】あれだけ流行ったテキストサイトが何故廃れたのか考えてみる【考察】 | オモコロ
また、テキストサイトの派生として個人的に気になるニュースをあつめる「ニュースサイト」も定着。
「●●に100の質問」という質疑応答テンプレートが流行し始める(※正確な時期はわかりません)有名なのが「絵描きさんに100の質問」。

インスタントメッセンジャーが登場しましたネ。サイト閲覧者との交流はBBS、サイト内に設置されたチャットが主流でしたがメッセンジャーの登場によりプライベートな場所で話ができるという土壌が整いました。主に管理人同士がメッセンジャでしゃべってた。

2001年

  • ロリポップサーバーがサービス開始。
  • ADSLが登場。YahooBBがサービス開始。

月額5000円〜だったレンタルサーバーを格安で提供する企業が現れ、広告付きの無料スペースから有料レンサバに引っ越してゆくサイトが増える。
またYahooBBが業界最安値で殴り込みかけてきたことにより高速回線が手軽に。「テレホタイムにピーガー」することもなくなった。だいぶネット環境が整って来た感じ。ネット人口も増えたんじゃないかな。

CMS(コンテンツマネージメントシステム)が登場です。簡単に言うと「ブログ」の走り。HTMLとCSSを編集してFTPでアップロード、という従来のサイト運営スタイルに革新的な変化をもたらす。これまではHTML+部分的にCGI/SSIなどを使うにとどまっていたが、全面的にプログラムを介してサイト管理をする概念が生まれる。

  • お絵描き掲示板がグラフィカルなインターフェースに発展(poo var.2)

その場でお絵描きして投稿するJavaアプレット掲示板が登場。「オエビ」と呼ばれ親しまれた。レンタルでオエビを借りるとページ最上部にはサービスをスタートしたばかりの「ロリポップ」の広告が!

現在で言うブログウィジェット(サイドバーに常駐する小さなアプリケーション的なもの)の走り。このころブログ文化はないので個人サイトに鎮座していた。

2002年

Flashアニメでおもしろいものがぞくぞく出始めた時期でございます!
MXからFlashが劇的に変わったのです。FLVという形式を定義。以降、動画サイトなどでFLVが使用され始める。
ところで「ポエ山」さんは2001年開設のようです。

  • 「ブログ」という単語が浸透。

Movable Typeの出現により(?)似たようなエンジンを使ったブログサービスもリリースされ始めたのもこの年ぽい。ブログの登場当初は「(ウェ)ブログ=ニュースサイトのツール」という固い捉え方をしていたが、前述の「日記サイト」がプレーンなHTMLでの更新からブログ方式に移行して行った気も。国内のブログサービスが「日記」を書くツールとしてリリースしているので、ブログ=日記という定義になる。

2003年

ActionScriptが2.0に。この頃からアニメ制作ツールであったFlashをサイト構築に使うようになる。のち、企業サイトなどでフルFlashサイトが登場する。

  • WordPress登場。
  • ウェブ拍手登場。

【参考:web拍手の歴史でも - だんでぃブログ
多くの人が趣味に特化したサイトを運営、大盛り上がり(※個人の体感です)。わたしもお絵描き系サイトを再スタート、同人サイトの分類。
盛り上がりの影で、多くの個人サイトの管理人が出現した「困ったちゃん」への対応に苦しんでいた。当時、交流ツールの主力であったBBSが荒れる荒れる。これが元で閉鎖したサイトも少なくないと思う。そんな管理人の苦しみを存分にぶちまけ、支持を得たのが「毒吐きネットマナー」(2001年から存在していたらしい)である。また、BBSの分類で「訪問時に名前とコメントを残すだけ・書き込みに対してレスがない」の方式を取るものは『ゲストブック』と呼ばれ、荒れ果てたBBSからこちらに移行するサイトも出てくる。※ゲスブCGI自体の存在はもっと前からありapebordを使う人が多かったように感じる。
この頃「web拍手」が登場。気楽な使用感がよくサイトの盛り上がりにものすごい貢献。のちに閲覧者との交流方法の主流となり「拍手+コメント→日記でレス」の形式が定着し、BBS・ゲストブックは撤去されていったのでした。

一部の管理人の間で「黒歴史」とされているのはこのへんの±5年付近のように感じる。

2004年

  • Skypeサービス開始。
  • mixiサービス開始。
  • greeサービス開始。

国内では最初のSNSたちが登場でござる。
また、音声通話もできるメッセンジャーSkypeも登場。
そのころ、個人サイトのフレームメニュー的な場所には「yahooメッセンジャー」のオン/オフを示すニコニコアイコンが!管理人さんとお話してみたいときは勇気を出して話しかけてみたりもした。今考えてみるとなかなか勇気のある行動だと思うが、twitterアカウント晒すのと大差ない気もする。

掃き溜めの中から輝かしい名コンテンツが生まれ始める。それがVIPクオリティ

2005年

「動画サイト」登場。ブロードバンドが主流となった頃、ついに、比較的容量が軽いFlashアニメ以外の「動画」をウェブ上で扱うサービスが登場。形式はFlashVideo配信だった(と思う)からFlashには変わりないんだけれども。

当時mixiSNSサービスでは国内唯一のものでありその楽しさに多くの人が熱狂する。知り合い以上友人未満の「マイミク」という呪いの言葉が生まれる。仲のよいサイト管理人同士で存分に語り合える場ができたせいか、多くの管理人がサイトの日記更新などを怠りがちになる。※個人の体感です。

  • 「バトン」が登場。

用意された設問に答えたあと5人くらいに同じ設問をまわして答えてもらう、テンプレ。一番最初のバトンはMusicalBatonである可能性が高い。
【参考:http://d.hatena.ne.jp/keyword/Musical%20Baton

2006年

  • Twitter米国で登場。
  • 「バトン亜種」が浸透。おそらくMusicalBatonを見た人がもっといろんな題材でやってみたかったんだろう、日本語化された●●バトンが個人サイト以外にもmixiで連鎖的に流行しました。

【参考:Mixiやブログで使えるバトン置き場 バトンテンプレート集

2007年

ニコ動/初音ミク/Pixivの登場が同年だった。このへんは相乗効果でめきめき成長した感がありますネ。あと、iPhoneがバカ売れしたせいもあってか、まだ日本語化されていないtwitterを使い始める人が出てきた。

  • FlashCS3でActionScript3.0が実装

奥行きのある表現ができるようになったため、企業がフルFlashでサイトを作成してモリモリに盛る時代が到来。

●年表後半にさしかかりましたが、SNS時代の台頭以降がなんだかゴチャゴチャしていてまとまりませんでした。書ききれなかった不徳をお詫び申し上げます。(まとまったら追記しにきます)

2008年

  • Twitter日本語版サービス開始。
  • Facebook日本語版サービス開始。
  • モバゲーサービス開始。
  • Android登場。
  • Mac Book Air登場。

2008年盛りだくさんでした。
「これからのビジネスはSNSだ!時代」の幕開け。

2009年

  • 企業サイトなどでフルFLASHサイトが浸透。
  • Twitterが爆発的に普及。「フォロワー」という呪いの言葉が生まれる。
  • 一方でmixiから人がいなくなり始める。

2010年

閲覧デバイスに「タブレット」が加わる。

2011年

  • LINEサービス開始。
  • Adobe、モバイル向けFlash Playerの開発停止を宣言。

「i」がつくデバイスFlashが使えないため、急速にJQueryへの移行が始まってた感じ。
 
2012年

  • スタバでMacBookAirキメる人々の出現。ノマドワーカーと呼ぶ。(もうインターネッツ関係ないけど気になったので書き留めておく)
  • レスポンシブウェブデザインが流行、とされるが2014年現在でも賛否両論。

2013年

  • SNS上での炎上多発。
  • Windows8登場&iOS7登場により一気に「フラットデザイン」ムーブメント発生中。
  • CG系専門学校の広告で「絵師」という言葉を見かけてひっくりかえる(私が)

2014年

一時代の、終わりを感じさせる出来事。



年表の!後半!リリースされた新サービスの項目を羅列するだけでイッパイイッパイになってしまいました。「10年ぐらい史」すら名乗れてなくね?直近5年が遡れてなくね??
個人サイト運営の記憶と、仕事上での現場の変化が混ざってしまい、ちょっとまとまりにくい状態。
書ききれなかった不徳をお詫び申し上げます。(2回目)

主に2000年代初頭の黒歴史を露呈するだけの事態!
このままでは大変恥ずかしいので、主に後半を充実させる予定!

ぜんぜん浅いよ!つまんねぇよ!という方はぜひこちらの素敵なサイトさんの、「ウェブアーカイブ」を。
教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史ヽ(´ー`)人(´ー`)ノ 
http://web.archive.org/web/20030801113739/http://blogdex.tripod.co.jp/encyclopedia/
tripodなんていうドメインを久方ぶりに見た。
SNSは半永久的に残っていく可能性が高いのに、個人運営のサイトのはかなさよ。

【謝辞】この記事を書くにあたり、いろいろな方から記録と記憶に基づく情報を提供していただきました。心より感謝いたします。